白い吐息
朝から凍てつくような寒さだった。
その日、今年の初雪が降った。
そしてその日、私は生まれて初めてキスをした。
16時過ぎに辺りは真っ暗になった。
けれど、お互いまだ帰るのは惜しくて、なんとなく公園のベンチに座る。
肌に刺さるような空気に思わず身震いをすると、君はおそるおそる距離を縮めて、背中から腕を回して私をぎこちなく抱き寄せた。
長い沈黙。
だけど自然と苦痛ではなくて、でも、なんだかソワソワしている。
そうこうしてるうちに空から雪が舞い降りてきて
「あ!雪だ。」 そう言って、君の方を向いた時、君の顔がゆっくり近づいて唇が触れ合った。
スローモーションみたいにゆっくり。
頭の中で理解が追いつかないけど、頬と唇が熱を持ったように熱くなって、
火照った唇を覚ますように口をうっすら開けると、きれいな白い吐息が漏れた。
12/7/2025, 10:35:07 AM