《君と見た虹》
あーちゃんが虹の橋を渡った
速く荒い息が絶え間なく続く……
添い寝の私に彼女はトイレの合図をした
かわたれ時の庭で 用を足した
少しだけ私に身体を預けて
えらいね あーちゃん
お腹の水もオシッコと一緒にだせたらいいのにね
私は彼女を抱きあげ そのまま夜明けを待った
赤ん坊を寝かせるように揺らしながら
空が白んでくるのを 祈りと共に待った
優しいあすか先生に会いに行こうね
もうすぐ空が明るくなるからね
あーちゃん だいじょうぶだよ こわくないよ
私たちはデッキに座りパーゴラを見上げた
キーウイの若葉が私たちを見守っていた
その時は 突然にやってきた
何かが腕にもたれかかる エッ
ガクッ 視覚より鮮明なその瞬間
肌に伝わるあなたの温かい重み
急いで愛犬の頭を支え直し 覗き込んだ
全身を委ね 腕の中で安堵するあーちゃん
白い毛並みが曙色に染まっていった
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近頃ね、あの朝の事をよく思い出すのよ
おばあちゃんになったんだね私
そろそろかしら 会えるの楽しみ フフ
2/23/2025, 6:07:44 AM