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「たくさんの想い出」


振り返ると、貴方との想い出が沢山ある。

初めて出逢った日。
友達が好きな人を頑張って誘って、でもいきなり2人ではどうすればいいか分かんないから一緒に来てって。向こうも友達連れて来るからって。
お互い何の他意もなく来て、何なら私は第一印象すらも覚えてない位だった。
でも、偶然誕生日が一緒で、話も合って何だか盛り上がって。

始まりは、そんな感じだった。
そこから、他愛のない毎日が続いて。
結婚とか、先の事とかは考えてなかった。
ただ今が楽しくて、幸せで。
貴方が愛しくて、大切で。
一瞬一瞬が、宝物だった。
全てがかけがえのないモノだった。
全てが過ぎ去った瞬間にいい想い出になって、哀しい未来なんて、考えもしなかった。

そして、あの日の破局。
何の前触れもなかった。
まさか、こんな事があるなんて。
今時、親の絡みや色んな事情が重なって、当人同士の気持以外で断れない結婚なんて、あるとは思わなかった。
貴方が、その当事者だなんて、どんなギャグかと思った。

でも、哀しい事実で。
事情を聞けば、断れない現実が見えて。
断れない貴方が見えて。

2人で逃げれば良かったのかもしれない。
貴方は、私に言った。
「俺と一緒に堕ちてくれるか?」って。
……無理、だった。
私は貴方を、選べなかった。
貴方も、ホントは分かってた筈。
貴方も私を、選べなかった。

貴方と一緒なら、何処へでも行けた。
貴方と離れる位なら、何だって出来た。
でも、事は私達だけの問題じゃない。
親や、周囲に迷惑をかけて、自分達以外を犠牲にしてなんて、貴方も私も出来なかった。したくなかった。

たくさんの想い出は、そのままたくさんの痛みになって私にのしかかってくる。
幸せの大きさと同じだけの、痛みが、傷が、私を襲う。
重たい、苦しい、哀しい、切ない、愛しい。

今でも、その痛みは消えない。
今でも、貴方に逢いたい。


「追記」
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私の拙い文が、少しでも誰かの心の琴線に触れたり、何かを思い出せたり、少しでも支えになれたりしたら、凄く嬉しいです。
♡の一つ一つが、私の励みになっています。これからも「書いて」いきますので、宜しくお願いします。


11/18/2024, 10:38:56 AM