『可愛い弟分』
「どうやってあの子落としたの?」
「ブッ!!」
コーヒーを吹き出した彼に「汚〜い」という言葉と共にナプキンを差し出す。口元を拭いた彼は勢いよくこちらを見る。顔はまだ真っ赤であった。
「な、なななな何言ってんだよ!?お、おおお俺とあいつはそんなんじゃ…!?」
「はは、めっちゃ焦ってる。おもろ〜」
「話聞けよ!!」
ギャーギャー騒ぐ彼を見て、ふっと口角が上がる。
氷のように冷たかった彼女があんなに柔らかく、笑顔を見せてくれるようになったのは、きっと、他でもない彼が傍にいたからだろう。優しさだけじゃない、確かな強さを持った彼だから。
そんな私の様子を見た彼が言葉を発する。
「お前がそんな優しい顔するなんて……明日は槍でも降るのか……?」
「よーし、そんなに殴られたいのか」
【優しさだけで、きっと】
5/3/2026, 8:57:02 AM