「ラムリに花束を贈りたいから、手伝って。
アモン。」
オレの密かに思いを寄せてる人からそう言われた。
「…もちろんっす。」
そう笑って誤魔化した。
本当は羨ましかった。
いつも主様の近くにいるラムリが。
主様から贈り物だなんて、
「羨ましい。」
他の執事もそう言うだろう。
「んじゃ、一緒に薔薇を見ましょうっす!」
「うん!」
なんて、汚いこの気持ちがバレないように。
オレは、笑うっす。
「綺麗な薔薇を贈りたいな。」
あぁ、今だけは。
この笑顔を独り占めしても許されるっすよね?
「主様。」
「ん?なぁに?アモン。」
主様。大好きっす。なんて言えたら。
まぁ、そんなこと、言えないっすけどね。
「ははっ。なんでもないっす!」
オレのこの想いは届かなくてもいいっす。
オレの育てた薔薇を見て、微笑んでる主様を近くでみれるのは、庭師の特権っすからね。
4/15/2024, 10:40:43 AM