"真昼の夢"
目の前には無数の蠢くヒトガタの群れ
その手を取って
その足を取って
その瞳も奪ってしまおうか
うるさい雑音を発する舌はいらない
そばだてる耳も、よく利く鼻も、
意思すらもいらない
ばつん、と断ち切る様は剪定に似ている
ごろりと転がる頭と身体
魂とやらが本当にあるのならば、それは一体どちらに宿っているんだろうね
なんて、ただの白昼夢だよ
夏の暑さが生み出した、真昼の夢だ
ぱちり、と瞬きをひとつ。
現実は悪夢よりよっぽど悪夢らしい。
溜め息をひとつ、ふたつと零して、再び赤く乾いた夢に落ちていく。
7/17/2025, 5:20:52 AM