『ねぇ、あなたは幸せ?それとも不幸せ?』妖艶な甘い声で、問われた。
「不幸よ。」と、わたしは応えた。
『ふふ、はっきりというのね。』狼の目をした美しい女が応えた。
『あなたには、ふたつの選択肢があるわ。ひとつめは、わたしの子どもになる。ふたつめは、再び地獄のような生活に戻る。さぁ、どちらが良いかしら?』と、甘い声でわたしに問うた。
「貴女の子どもになる。」と、覚悟を決めた。
『本当にいいの?一度も、逮捕されたこと無いけれど、わたしは、何度か、事故に見せかけて、人を殺したことがあるの。』甘さの無い、真剣な声だった。
「あの生活に戻るくらいなら、なんだって良い!」意志の強さを感じられた。
『じゃあ、契約成立ね。』美しい女は、弾んだ甘い声で応えた。
7/27/2023, 10:21:45 AM