小音葉

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在りし日の君を覚えている
穿つような雨の中、振り上げた拳を

肩を組んで笑い合った日々、
澄んだ瞳で囁く愛、
全て裏切る紫煙の味を、知っている

こんな日が来なければ良いと願っていた
膠灰に褪せた色が、いつか消えても
斜陽を超えて、嘘だと笑う君を待っていた

瓦礫の下から届けよう
墓無き君へ捧ぐ七色、記憶の大樹を焼いた劫火
今度は遮るもののない世界で、漣を聴こう

(君と見た虹)

2/22/2025, 12:21:45 PM