色んなことを考えていていつも頭の中はいっぱいだ。
ぽんっと出てきた新しい事にすぐ反応できなくて、それまで考えていたことが完結してからようやく新しいものと対峙する。そのときにはもう遅くて新しかったはずのことが過去のものに変わってしまっている。なんだか期限切れのお菓子のようでもったいないと思いつつゴミ箱に捨てるのだ。
好きなものはたぶんあった。
特定の何かではなく、もっとふんわりとした枠組みで。例えば食べ物でいえば甘いものだとか、色ならば淡いものだとかそういう感じ。
あまりにも漠然としすぎてて何が好きで何が嫌いなのか現物をみて触れて合わせてみないと自分でも分からなくなる。
少しずつ積み重なった過去は、私には重すぎる。
人に勧められた服も、髪型も、食べ物も、行き先も、そのすべてで躓いた。なのに自分から行動することはない。
失敗することが恐ろしい。逃げ道ばかり探している。
眩しすぎる外へ出るときはいつも帽子をかぶる。
多少狭くなった視界に安堵し、鉛のように重い身体と心を引きずって出掛ける。
誰かの笑い声が聴こえたとき、どうして誰かと笑えるのか不思議でつい目で追いかける。どうして自分は笑えないのか、それも考えてしまうんだ。
【題:帽子かぶって】
1/29/2025, 6:27:20 AM