不者

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 貴方が絵画のように
 微笑を形成している。


 この恋を悲劇として
 僕と貴方は舞台の上。




 
 一層魅きつけてくる
 らしくない美しさは


 互いの心を守るため
 貴方なりでの一芝居。






 僕も貴方も敏いから
 すぐに気づいていた。




 僕はうぬぼれていた。
 







 最後に差し出された
 その手を握り返して


「今一度
 貴方を好きになった」










 貴方と
 舞台を降りた気の侭。





 その手
 だけは



 芝居でなかったのに。






















――――――
「ごめんね」

5/29/2024, 5:58:08 PM