落ち込んだり後悔したくなったり打ちのめされたりすると訪れたくなる場所がある。そこはもう使われていないビルの屋上で、周辺の人には知られていない。廃墟になってるから余計に誰も近づこうとしないのを良いことに、僕は打ちのめされることがあるたびにここへ来る。そして、ただ何をするでもなく夜の空を眺めてる。気の済むまで、ずっと。
今日の夜空は雲一つなくてすごく綺麗だった。星が綺麗に瞬いている。あれは確かアンドロメダだったか。
そうやって星空を眺めていると不思議と気持ちが落ち着いてくるんだ。ここに来るまではあんなに負の感情でいっぱいだったのに、いつの間にかそれが綺麗に消え去ってくれる。夜空のお陰なのだろうか。分からないけど、壮大なものを見ると自分の悩みなんてちっぽけなものだと思えてしまえるのかもしれない。
もうとっくに心は回復したのに、今日の夜空があまりにも綺麗すぎていつまでも眺めていた。深藍の空が徐々に薄まってくるとやがて星たちも姿を隠す。もうすぐ夜明けだ。今日が素晴らしい日になりますようにと、白く掠れた月に祈った。
9/13/2023, 1:11:06 PM