カラツネ

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「奇跡をもう一度」


20xx年。夏。

「只今の時刻をもちまして、太陽の利用期間が終了いたします。」

突然脳内に流れてくるアナウンス。
それと同時に頭上にあった太陽の光が消えた。
次第に気温が下がり、真夏だと言うのに、吐息が白くなっていく。

太陽が仮物だったということを誰が想像できただろうか。いや、娯楽に明け暮れて知ろうとしなかった、我々現代人にも問題があったのかもしれない。

どちらにしても、もう遅い。

誰も太陽の借り方なんて知らない。
我々人類はなす術もなく、ただ現実を受け入れるしかなくなってしまったのだ。

10/2/2024, 4:15:21 PM