物語タイトル:そして、
あらすじ
> そして、春が終わった。
> トオルは、母の遺した詩集『そして、』を手に、駅のベンチに座っていた。
> 風が、誰かの記憶を運ぶように頬を撫でる。
> 人生は儚くて、それでも世界は綺麗だった。
> それが、彼の旅の始まりだった。
母・水月(ミヅキ)は、若き日に詩を書きながら旅をしていた。
その記録は、未発表の詩集『そして、』と、古びたカメラに残されていた。
トオルは成人し、母が歩いた場所を辿る旅に出る。
それは、母の記憶をなぞる巡礼であり、彼自身の人生を見つける旅でもあった。
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登場人物
| 名前 | 読み | 役割 |
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| トオル(透) | とおる | 主人公。母の詩とカメラを手に、世界の綺麗さを探す旅に出る。 |
| 水月(ミヅキ) | みづき | トオルの母。詩人。若き日に旅をし、詩集『そして、』を遺す。 |
| ユイ(結) | ゆい | 春の町で出会う少女。母の詩を読んでいた。トオルと詩で心を通わせる。 |
| ミナト(湊) | みなと | 夏の海辺で出会う青年。音楽家。母の詩に曲をつける。 |
| ナオ(尚) | なお | 秋の町で再会する幼馴染。母の選択を語る現実的な視点を持つ。 |
| カナメ(要) | かなめ | 冬の峠で出会う母の旧友。母の最後の手紙を託す人物。 |
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四季を巡る旅と詩
| 季節 | 地名 | 母の記憶 | トオルの出会い | 詩の断片 |
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| 春 | 白鷺町 | 初恋の記憶 | ユイと出会う | 「白鷺は、恋の形をしていた」 |
| 夏 | 海鳴岬 | 失恋の痛み | ミナトと語る | 「波は、言葉をさらっていく」 |
| 秋 | 紅葉谷 | 決意と別れ | ナオと再会 | 「紅葉は、涙の色だった」 |
| 冬 | 雪見峠 | 最期の願い | カナメから手紙を受け取る | 「雪は、記憶を包む白さ」 |
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転機:猫一匹分の鳥居と、記憶の温もり
> 山の麓にある神社に、僕はふと足を止めた。
> 鳥居は、猫一匹が通れるほどの狭さで、朱色も剥がれかけていた。
> それなのに、僕は目を離せなかった。
>
> 手を伸ばすと、指先が何かに触れた。
> それは、幼い頃に母と一緒に触れた楠の感触だった。
>
> もう一度触れると、そこには——人肌のような温もりがあった。
> 怖さよりも、落ち着きが勝った。
>
> その温もりは、母が手を添えてくれた時の感触に似ていた。
> 僕は、そっと指を絡めるように触れた。
>
> 風が一筋流れてきて、母の声が混じっていた。
>
> > 「透、よく来たね。世界は、綺麗だったでしょう?」
>
> 僕は、涙を流しながら頷いた。
> 鳥居の奥に一歩踏み出すと、母が最後に残した詩が風に舞っていた。
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終章:そして、僕は母を探しに旅に出た。
> 旅は終わったようで、始まったばかりだった。
> 僕は、母の詩を読み、母の足跡を辿り、母の温もりに触れた。
> けれど、まだ知らない母がいる気がした。
>
> だから僕は、もう一度カメラを手に取った。
>
> そして、僕は母を探しに旅に出た。
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あとがき
> これはフィクションです。
> バスの中で作成したので、多分変な感じにはなってます( ฅ  ̄ω  ̄ ฅ )
10/30/2025, 11:00:18 PM