「永遠に」
君の心臓が動くことを止めて、一体どれくらいの時が経ったのだろう。僕はもうそれを数えることを辞めてしまったけれど、数日だとかではないはずだ。何せ僕は近頃自分の身体が君と過ごした日々よりも悪いものになっているのを感じているから。
だが、今も尚君の美しさは色褪せることがない。君を見たある者は奇跡だと言った。またある者は悪魔の仕業だと言った。そのどちらかなのか、あるいは自然がそうさせた偶然なのかなんて僕にはわからない。わからないけれど、とにかくはじめは嬉しかった。動くなってしまったとはいえ、君とこれからも過ごすことができることが、とても嬉しかったんだ。でも、今は怖い。僕は確実に終わりに近づいているのに、君はこのままだということが。君を遺すことが、恐ろしいんだ。もしかしたら、不滅の君を妬んでいるのかもしれないね。そうだ。きっと、そうなんだ。ねぇ、お願いだから、もう一度笑っておくれ。そして前みたいに「永遠なんてあるわけない」と笑って、僕を安心させてくれないか。
11/1/2023, 11:52:23 PM