*⁠✧⁠夢希 百愛✧⁠*⁠ (yumeno yua)

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幸せになれるなら、どんなことがしたい?
遊び回ったり、放課後に友達とどこかに行ったりしたい?
お金に困らず、食にも困らず、衣食住に困らないような人になってみたくもなるよね。あなたはどう?何がしたい?
私は、欲張りかもしれないけど、楽しいことも、少し大変なことも、全部、全部、経験してみたいって思うんだ…。

私は、人を幸せにする使命を持って生まれてきた。この世界には一億人に1人という確率で、神の力を分け与えられた人間が生まれる。それがこの私だ。
人を幸せにして、人の笑顔をみて、この世を去る。
そういう、運命が私には待っている。
人を幸せにすると、自分は少し不幸な目にあったり、寿命が縮まったり、運気が下がったりするんだ。
でも、みんなが笑顔で幸せそうな顔を見ていると、自然と私も、しあわせな気持ちになれるから…。頑張ろうって思えるんだ。

私は、1年後、この世を去る。寿命が思ったより、早く縮まったみたいだ。思ったより怖さはない。私の母と父は、私が小さい頃にどこかに行ってしまった。でも、たくさん愛情を注いでくれていたのは覚えている。だからこそ、いまの私がいる。私は、高校2年生で、青春真っ只中だか、私にはそんな幸せなことが出来ない。その幸せを、人にあげなければいけないからだ。

毎日困っている人や植物に、寿命や幸せを分け与える日々
そんな風にして、半年がたったある日、私と同様に神様から力をもらった。男の子が倒れていた。診てみると息が浅くもう、一週間生きられるかどうかだろう。
私の寿命ももう、半年。どうすべきだろうか…
考えた末、この男の子に半分分け与えた。
私は後、長くて3ヶ月しか生きられない。だから、この男の子に、これからの未来を託したい。自分のアパートに連れ帰り看病をしてやるとすぐ良くなった。男の子はお礼にと、身の回りの世話をしてくれた。幼く見えたが、年齢は私より2歳年上だった。まだ、私の寿命については話していない。男の子と一緒に過ごす日々は凄く楽しくて、一瞬で過ぎていく。つい、この間まで、この世を去ることは怖くなかったのに今では、この男の子と離れるのが怖くて寂しくて、同仕様もなかった。
後、一週間に迫ったある日、私は男の子に寿命のことを打ち明けることにした。そうしたら、男の子は驚いて泣いていた。私なんかのために泣いてくれるなんて、なんて優しい男の子なんだろう。この子には幸せになってほしいと心の中で願った。

もう、最後の日だった。男の子が思い出を作ろうと言って水族館に行くことになった。男の子といることで大水槽がいつも以上にキラキラして見える。感動的なぐらいに。
屋上に来た。貸切状態だった。平日だからかななんて思いながら、男の子との最後の会話を楽しんでいた。日もくれてきて、もうそろそろかなと思った時、男の子がこんなことを言ったんだ。「僕は、君と会えて世界が変わって見えた。本当に出会えてよかった。僕は君のことを一生忘れない。僕は…君のことを誰よりも大切に思ってる。愛してるんだ。本当は、お別れなんて嫌だけど、僕には、君のような力が無いから。本当に愛してる。僕にとって大切な人だ」
私は言った。
「私も、愛してる。短い間だったけど、一緒にいると楽しくて、たまに、ドキッとして去るのが怖くなるくらい。
生まれてきてくれてありがとう。最後に幸せの魔法かけてあげる。幸せにね。」
私達は夕日の下、抱き締めあった。
私の身体がキラキラと輝き出し空に向かって飛んでいく感覚がした。もう時間だと思った。(あぁ、もっと、一緒に居たかったな…。)あなたの幸せを願って私は目を閉じた。

私は綺麗すぎる夕日を浴び、
私が一番幸せになってほしいと思う人から
抱きしめられながら、この世を後にした。

Vol.4 幸せに

『ここまで読んでくれてありがとうございます!
切ない系を書きたくて書いてみました。
まだ、未熟ではありますが、これからも見守ってくださると嬉しいです!ここまで、読んでくれたあなたがこれからも幸せでありますように。』

4/1/2024, 9:37:31 AM