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 雲ひとつない青天からの、地上のすべてを焼きつくしてやると言いたげな強い陽射しを全身に受けて、砂利と雑草と錆びたレールの道を歩いた。
 廃線になったローカル鉄道の路線は、何年も放置されて随分と緑に侵食されてはいるものの、まだどうにか道であったころを覚えていた。
 立入禁止の文字を無視して、水筒に入れたスポーツドリンクを飲みながら、雑草を踏みしめる。

 あー、なんだっけこれ、ああ、そう、スタンドバイミーだ!

 見たこともないくせに、大人からの入れ知恵をようようと披露する。
 草から飛び出す虫を鬱陶しがり、逃げようとするアオダイショウを追いかけ、吹き抜ける風の心地好さに喜び、砂利を鳴らす。
 どこまで行くか、明日はどうするか、週末のお祭り。話は尽きず、線路の先も見えない。けれど、不安になることはない。
 風は爽やかで、強く眩しい光が燦々と注ぐから、先はどこまでも明るく温かい。不安になる要素はひとつもない。
 未来を憂えるということを知らない少年達の、目的地のない冒険はまだまだ続く。底抜けに明るい笑い声を引き連れて。

7/3/2024, 7:45:11 PM