ㅤ左肩に重みを感じた。静かだなと思っていたけど、敢えてそのままにしておいた。やはり眠ってしまったか。
ㅤ長い長い一日だった。あの時たまたまそばに居たのが僕だったから、きみは頼ってくれたに過ぎない。分かり切った事実を僕はちゃんと思い出し、隣の平穏を邪魔しないよう小さく息をついた。
ㅤ将来、この景色を僕は幾度となる思い出すことになるだろう。唐突にそう思った。きみの心は、僕の願うようには決して動いたりしないだろうから。
ㅤきみの前髪を揺らす風を。穏やかに上下する胸を。降り注ぐ木漏れ日に閉じられた目を。僕はこの世の縁にする。
『木漏れ日』
5/8/2025, 9:23:03 AM