語り部シルヴァ

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『まだ知らない君』

今日も生徒会長の周りは親衛隊が道を作る。
毎日この光景だ。最初こそ動揺したがもはや
いつもの景色になり慣れてしまった。
しかし何をすればこんなに人をまとめてこんな
小さい国みたいな状態まで築き上げれるのかが不思議だ。

...とても中学から知り合った親友とは思えない。
当時の親友は僕と同じくらいの平凡な人くらいの感じだった。
趣味が合い価値観が合う。

だったんだけどなあ...
高校からデビュー成功もあって今の地位に至る。
そう考えれば人知れず努力した結果とも言えるだろう。

ぼーっとしているといつの間にか親友が目の前まで来ていた。
親衛隊に「おい!道を開けろ!生徒会長のお通りだぞ!」
とリアルで聞くことあるんだと思うようなセリフを吐かれたが
親友がそれを止める。

「騒がしくて済まない。また今度お茶でも行こう。」
周囲がザワつくのを感じる。
親友はこんなくさいセリフも言えたのか...

尊敬と同時にまだ親友の知らない部分を知れると思うと同時に
俺の高校生活も悪くないなと感じた。

語り部シルヴァ

1/30/2025, 10:57:04 AM