花束。自分で買うのか、人から戴くのか。飾られているのか、捨てられているのか、道端に添えられているのか。色々なところで目にする機会は多い。
ときに創作において、相手に伝えられない思いが、言葉が、花となって溢れてしまう。
そんな詩的なものがあるらしい。
花は手向けだ。愛する人に、頑張った人に、これからを応援する人に、もう会えない人に、ここには居ない人に数多の想いと共に贈られる。
ならば花束は、言葉の塊だ。丹精込めて育てられた彼らは、人の手によって紡がれ束ねられ、色に花に想像に委ねられ、贈られる。
もし僕たちの紡ぐ言葉も、紡がれなかった言葉も、零した涙も、堪えた何かも。誰かに向けた、向けられた、向けられなかった愛憎悲喜交々、全てをかき集め、束ねたのなら。
誰かに手向ける花束になるのではなかろうか。
僕の。
君の。
あの人の花束は、どんなものなのだろうか。
『花束』
2/10/2023, 4:43:12 AM