ノアの方舟は正しい人であるノアとその家族を乗せていた。洪水が起こり、方舟に乗っていたノアとその家族以外の人は滅んでしまう。
ノアは正しい人だったから、神に選ばれて方舟を作ることを命じられた。
ではなぜ、正しい人しか生き残れなかったはずなのに、今この世界にこんなにも正しくないことが満ちているんだろう?
方舟は未来へ残るべき人と命を乗せていたはずなのに、正しい人以外は全て滅んだはずなのに、なぜ正しくない行いが満ちて、正しくない人が溢れているんだろう?
神様はお見通しだったのだろうか。
正しい人も間違うことを。
完全に正しい人なんていないことを。
それとも、正しくない人もまた未来へ残るべき命と、そう考えたのだろうか。
人はやり直すことが出来るから、誰だって未来への船に乗っていい。
もし神様がそう考えていたのなら、少しは信じてみてもいいのかもしれない。
END
「未来への船」
5/11/2025, 3:36:26 PM