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※物語です。


私は君が大嫌いだ。
遠慮のない言葉も誰にでも見せるいたずらっぽい笑顔も。

「なんかお前って作ってる感あるな」

入学初日に言われたその言葉。第一印象は

_何こいつ

デリカシーの欠片もなくて、私が隠していた本性まで見抜かれた気がした。
誰に対しても同じ対応のようなのに友達も多く人気な存在だった。私はそれでも受け入れられなかった。運悪く、その子は私の隣の席だった。また何を言われるものかと警戒して過ごしていたが、初日のことは忘れたかのように当たり前に話しかけて来たのが腹が立った。それでも優しく心を落ち着かせて対応していたのにまたしばらくしてこんなことを言った。

「その作った性格っていつまで続けるの?」

「そんなの君には関係ないじゃん」

私は苛立ちのあまり睨みつけながら返してしまった。図星だったから、腹が立った。いつからか素を出して生活することへの恐怖を感じていた私は、人目を気にして作った自分で過ごしていたのだ。今までそのことについて指摘されることはなかったし、気付いたとして触れないでほしい部分だった。とはいえこれまで隠してきた本性を顕にしてしまい焦っていた。

_私は君が大嫌いだ

「その方がいいじゃん!」

突然君はそう言った。

「は?」

意味がわからず顰めた顔をあげるときらきらした表情の君がいた。

「今まではなんか読めないっつーか何考えてるか謎だったから怖かったけど、俺今のお前の方が好きだ」

君は無邪気な笑顔でそう言った。それまでよく見ていなかったけど少年のような顔付きで笑顔が似合う眩しい人だった。
それからだと思う。君に対する気持ちが変化したのは。

_誰にでもあの笑顔見せてるんだろうな。
やっぱり私は君が大嫌いだ


この気持ちを伝えることが出来たらいいのに

大好きな君に

3/5/2024, 8:22:56 AM