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忘れたくても忘れられない

令和6年10月17日午後
俳優西田敏行さんが御逝去されたとスマホニュースで知らされた。ショックだった、芸能人の訃報に接して涙が流れたのは初めてかも知れない、それほど好きな俳優ではなく、それど好きなドラマの主役だったのだ、私にとって忘れたくても忘れられない神ドラマ「池中玄太80キロ」の池中玄太、どれほど月日が流れても西田敏行と言えば私にとっては池中玄太なのである、それは石原裕次郎と言えば七曲署藤堂俊介ボスと同じくらいに。

忘れたくても忘れられない神ドラマ「池中玄太80キロ」父と最後に観たドラマだ。

その頃私は絶賛反抗期中で父とあまり話さなくなっていたが、このドラマだけは一緒に観ていた。第一シリーズが始まったのが1980年その次の年に父は死んでしまうので、父と観た最後のドラマが池中玄太80キロだった、それからこのドラマは人気を博しシリーズ化される、私は何時も父のことを思い出しながらドラマを観ていた。

「池中玄太80キロ」は、私に子供時代の終わりを告げ、後悔と慕情を教えた神ドラマなのだった。私の父は痩せていたので容貌は少し違うが玄太演じる西田敏行さんに父を重ねていたのかも知れない。そんな西田敏行さんが身罷られた。


お父さん昭和は遠くなりにけりです、入口はどんどん遠くなり、その光はもう見えなくなりました、変わりに出口は近づき、彼方に出口から差し込む光らしきものが見えるような気がします。そんな今でも、「池中玄太80キロ」の玄太さんの声を聞くとお父さんのことを思い出します。

劇中で語られる鶴の子別れの話は、まさに当時の私に打って付けでした。鶴の父親はある日突然子供を突っつくようになる、子供は父親が嫌いになって離れやがて遠い空に飛んでゆく、父親はそんな雛が大空高く飛んでゆく姿を見ている、そんな鶴の話が心に残るドラマでした。

今夜は、そんな忘れても忘れられない私の神ドラマ「池中玄太80キロ」を観ながら西田敏行さんを偲びたいと思います。

お疲れ様でした        合掌


令和6年10月17日

心幸

10/17/2024, 11:46:00 AM