「君になら呼び捨てにされたっていいのに」
そう言ってくれたのは、私が憧れていた人でした。
彼女は誰がどう見ても好意を抱かずにはいられない人でした。人として惹かれずにいられないほど素敵な人でした。
私と彼女はいわゆる「仲の良いグループ」が同じわけではありませんでした。しかし度々話をすることがありました。
上記の言葉は、私が仲良くしていた子たちに呼び捨てで呼ばれることへの不満やら納得のいかないものがあったらしいのです。
私というのは、どうにも彼女をあだ名とはいえ呼び捨てすることができませんでした。おこがましさというものを感じていたためでした。どうしても「さん」付けをやめることができずにいました。
友人としての距離感でしょうか。おそらく理由はそのあたりなのでしょう。彼女はわざわざ私に言ってくれたのです。
私は嬉しくてたまりませんでした。
「私ならいい」と認めてもらえたようで嬉しかったのです。
私は実に愚かです。目も当てられないほどに醜いのです。
彼女に抱く劣等感に目を塞いで、周りの子達に優越感を抱いたのです。
7/13/2024, 6:22:03 PM