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「初めまして」

初々しい笑顔でお互いを見つけて、頭をぺこりと下げた。顔を上げた瞬間に目が合って、はにかんだ。笑うと目が垂れて、とても可愛い人。コーヒーカップも、宝石のように輝いて見えた。

これが私たちの出会いであり、初めてあった喫茶店が待ち合わせの場所になっていった。




「私たち、これからどうするの…」

私の好きな人は、隣にいて当たり前の人になってしまったのかもしれない。 自分のわがままな心からくるものだろうか…何となく馴れ合いになってしまい、愛が冷めて来ていた。

「俺はまだ、一緒にいたい」

冷たくなったコーヒーを1口のむと、苦味がましたように感じた。





再び私たちは、あの喫茶店に座っている。
どことなくそわそわした感じに、違和感を感じながら…

「いろいろあったけど、俺たち結婚しよう。絶対に幸せにする」

だから緊張してたんだね…私は大きく深呼吸して、思いっきり笑顔になった。

「はい。お願いします」



同じ席で、同じ相手を目の前に座ってきたけれど、気持ちひとつで全く違う場所に感じてしまう。

だけど、私はこの席が好きだ。


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【お題】向かい合わせ

8/25/2022, 1:23:46 PM