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お題:終点

 人生に少しだけ疲れ、何となく旅をしたいと思った。
目的地は決めてはいない、ただひたすらに此処ではない何処かへ行きたかった。
その日は快晴だった、雲一つ無い澄み渡る空。
いつもは絶対しないことをしようと思った。
(いつも乗らないバスに乗ろう、そして終点行こう…)
バスに乗り込んだ、バスに2時間ほど揺られるていると
バスの終点についた、終点は海の近くのバス停だった。

 終点に到着したので降り、宛もなくただ散策してみる、歩いていると小さなカフェがあった。
お腹もちょうど空いたので入ると、店内は落ち着いた空間で、店主は人当たりの良さそうな人達だった。
 老年の夫婦で切り盛りされていることなどポツポツ話した。
その店のオススメメニューを聞いた、すると煮込みハンバーグのセットをオススメされた。
「煮込みハンバーグセットお願いします」
煮込みハンバーグがきた!
店主さんたちのオススメ通り美味しかった。
久々に美味しいと感じた。
店主さんに思った感想を伝えると
「貴方はよく頑張っているのね、頑張るのは良いことだけど頑張りすぎはよくないわ。」 そう言われた。
まさかそんな事を言われるとは思わず固まっていると、
「疲れたら、美味しいものをいっぱい食べなさい。
食べることは生きる活力何だから」
夫婦からそう言われ、ここ最近仕事や日々の生活を思い返す、なるほどカップ麺やコンビニ弁当ばかり食べてることに気づいた。
夫婦にお礼を伝え会計を済ませ店を出た。
また来ようと思った。
生きるためには、美味しいものを食べないといけないと感じるできごとだった。

 それから何となく疲れたなぁと思うと仕事が休みの日は、バスや電車の終点まで行って色々な場所に行く。
美味しいものを食べたり、知らない人と話したり、そうするとまた頑張って生きようと思う。
 次はどこに行こうかな。

8/10/2023, 11:25:37 AM