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途中書きです。すみません。

「まだ知らない君」

1年生になったら〜
1年生になったら〜
友達100人できるかな?

このお歌を歌いながら小学校入学を心待ちにしていたわたし。
最初はお歌のように誰とでも上手くいった。
でもだんだんと学年が上がるにつれて周囲の好意や悪意の視線に気づくようになっていった。
それでもみんなと仲良くなることを諦めたくなくて、空気を読めない天然のふりをして、裏では鋭く嗅ぎ取り周囲の関係を調整していたけど、調整すればするほど空回りしていくようだった。

中学生になると、もっと人間関係に敏感になり、人から人への感情の矢印が見えるようになった。
矢印が太いと思い入れが強く、矢印が細いと無関心または関わりが少ない。
矢印の色が赤色だと恋愛的に好き、黄色だと友達として好き、黒だと嫌いとかってわかる。
これが見えるようになってから、わたしはひとりでいることが増えた。
わたしはAと仲がいいけど、わたしの友達のBはAのことが嫌いだったり、クラスメイトのCさんはDさんとクラスでは仲が良さそうに見えるけど、実は心の中ではすごく嫌っているのが見えたりして、どの人と仲良くすればいいのかわからなくなったのだ。
もうその頃にはみんなと仲良くする目標もいつの間にか忘れてしまっていた。

高校に入学してもこの能力は健在だった。
でも中学生の時とは違って周りに壁を作るんじゃなくて、広く浅く関係を築いたおかげでクラスにそこそこ馴染むことができた。
中学の頃のように矢印を意識せず、風景として扱ったのが良かったのかもしれない。
でもやっぱり矢印は意識せずとも目に映るものだから、告白の回答がわかっているわたしは恋愛したことがないし、したいとも思わないから女子の恋愛話にあまり共感できない。

そんなある日、中学以来初めて矢印の見えない君に出会った。


1/31/2025, 9:59:28 AM