ひよこを撹拌して、撹拌する前と重さを比べたら、死んでしまった撹拌されたひよこの方が、少し軽いらしい。
死んだらみんな軽くなる。
生きた物と死んだ物の間には、物質では説明できないなにかがある。
なにかがあるのだ。
だから、自らの手で生き物を生み出し、生き返らせようとするなら、その“なにか”が必要になる。
ただ、臓器や骨やパーツを組み立てて、それだけでは、生き物は生き返らない。
心か魂のようなものが、生き返らせるためにはいる。
そういうわけで、魂にあたるものが必要なのだ。
厳正な調査と思考の結果、魂の代用には、音楽を使うことにした。
音楽が、人や生き物の気持ちや調子に作用するというのは、実証もされている。
これほど、科学的に魂に相応しいものはないだろう。
私はメロディを集めた。
組み立てた、ありとあらゆるものにそぐう音楽を。
その一心で、作曲を勉強し、音楽を勉強し、あまたのメロディを作成してみた。
そして、今聴いてもらったこれが、君のメロディなのだ。
君の、君だけのメロディ。
君がこうして音楽を聴いている今、私の考えは実証されたことになる。
すなわち、これが私からのプレゼントだ。
君の魂を担っている、君だけのメロディ。
6/14/2025, 1:28:46 AM