電柱の街灯が道を照らしている、薄暗くて静かな住宅街。
仕事で帰りが遅くなり、一人で歩いてるけど……私の足音しかしなくて、少し怖い。
コッ……コッ……。
……いや、よく聞くと、私以外にも足音が聞こえる。
コッ……コッ……。
後ろからだろうか?
まだ、少し離れた距離から聞こえるから……逃げたほうがいい……かな?
歩く速度を上げ、住宅街を進む。
コッコッコッ……。
私の後ろの足音も、速度を上げている。
さっきより、距離が近くなっているような気が……。
立ち止まり、勇気を出して後ろを振り向く。
振り向いた先には、犬……の格好をしたおじさんが立っていた。
「ワンッ!ワンッ!ただの犬ですワンッ!」
「……キ……キャアアア!!!変態犬オヤジ!!!」
私の叫び声を聞いた住宅街の人が、警察に通報してくれたおかげで、変態犬オヤジは捕まった。
10/2/2025, 10:15:54 PM