「あの子かっこ良いね」
「そりゃアイドルだからカッコ良いのよ」
彼女は私を見た。
「そんなに好きなら、握手会に行けば?
チケット取ってあげるから」
私はふっと微笑んだ。
「良いの。会いたくない」
「・・・え?どうして」
「会わない方が良いの。会えないからこそ特別に見えるの。神様だってそうでしょう?姿が見えないからこそ、どの時代でも人気があるの」
「それを、意図的に作るの?」
彼女は怪訝そうに眉を顰めた
「飽き性だから、あたし。それに会わないからこそ、より格好良いの」
ふうん、と彼女はストローを回した。
---------自己中ね。
その言葉に私は思わず吹き出す
「確かに」
「それは愛なの?」
「ファンは必ず愛さなきゃいけないの?」
「じゃあ、貴方にとっての存在って?」
「ただの目の保養よ」
だからこそ、と言って私は静かに立ち上がる。
「見えないから、美しいのよ」
3/23/2026, 1:04:40 PM