『二人だけの秘密』
幼い頃、君と二人で摘んだシロツメクサ
小さい手で一生懸命花の冠を作り、お互いに送りあいっこをした。
私は不器用で、汚くて、みすぼらしい冠になったのに、
彼女は本当に嬉しそうに笑い、泣いてしまった私を抱きしめた。
その手はまだ小さくて、不格好で、土まみれで──
やがて、彼女の手は豆だらけになった。
剣道部の主将を努める彼女の手は固かった。
真っ白に染まる公園
葡萄の匂いに包まれた彼女
ほんのりと目を赤く染めて笑う彼女はあの時と何も変わらず、私はおろおろと彼女の手を繋いだ。
彼女の目からはポロポロと涙がこぼれ、私はただ、それを拭うことしかできなかった。
彼女の荒い呼吸に、自身の割れんばかりになる心の音。
上手く呼吸ができず、私はまた、あの時のように泣いてしまっていたようだ。
小さく震え、無様な私を彼女は優しく抱きしめてくれた。
暖かくて、安心して、私は彼女のことが──……。
「お姫様、朝ですよ」
彼女の目は少し赤く、声も掠れていた。
彼女の手を取り、触れるだけのキスを交わした。
真っ白なヴェールは私たちを包み込んだ。
5/3/2026, 4:13:15 PM