二人だけの秘密だよ。
そう言って、ザクザクザクと土を掘った。
ザクザク ザクザク ザクザク
ちょっと草臥れたので、一時休憩。
団子を食べて、お茶を飲んで、またザクザク。
埋める。埋める。埋める。
なぜ? と聞かれれば、隠したいから、と答える。
そんなものを、埋める。
土が全部被さって、誰の目からも隠れきったときになって、やっと鋤を放り投げることができる。
そうして、ぼくたちは、成し終えたのだった。
それからウン百年後。
薄い板――ならぬテレビには、「徳川埋蔵金、ついに発掘か!?」と目立つ色のした大きなテロップが映されている。
ぼくはとなりにいる家来――今世は友人――に向けて、テレビ画面を指さしながら笑いかけた。
(徳川さんと家来さん)
7/16/2025, 7:33:45 AM