日の出
まだ真っ暗な夜の闇の中 僕は、
じいっとある人物を待って居た。
一分 二分 三分 イライラと足を揺らして 踵を返そうかと思ったその時
ブー ブーとスマホのバイブ音と共に
携帯が震え出し僕を呼ぶ
僕は、スマホの受話器ボタンをスワイプし
電話に出た。
「もしもし...」僕は、声と共に溜息を洩らす。
「あ~俺 悪い 寝坊した!」電話口で
友人が にへらと笑う顔が想像出来た。
「あのね...君が言ったんだよ 新年 最初の 初日の出を見に行こうって...」
僕は、寒い中待たされて居るので
少し責める様な口調になる。
「あ~そうだっけ? まぁそう怒るなよ!
今から準備するからさ!」
そう言って友人は、通話を切った。
まぁ少しだらしがない友人だけど
準備をすると言うからには 今から向かうのは確かなのだろう....
最悪 初日の出には間に合わなくても
山の頂上から見る朝日は綺麗だろう
僕は、リュックから カメラを取り出し
まだ何も見えない暗い空を
ファインダー越しに覗きながら
眩しいオレンジ色の光を夢想した。
1/4/2024, 2:05:28 AM