虫の声一つしない場所だった
粗雑に踏んだ足音すら
下草と腐葉土に食われ尽くして
獣の気一つしない場所だった
帰り道折り揺らす枝すら
柔らかく溶け腐り落ちて
風の音一つしない場所だった
荒く喉鳴らす呼吸すら
止めては飲み込み無に帰した
命の静まり返る森だった
そこならば居ると知っていた
死も息潜める森だった
そこにしか居ないと知っていた
森の魔女 夜の魔女
静寂を好む孤独の魔女
‹静かなる森へ›
誰かの言う正しさとか
世界に見る幸福とか
そんなのどうでもいいからさ
君が息をしやすい場所
君が生かしたい言葉
今でなくてもいいから
いつか必ず見つかるように
たくさんの選択肢を学んで
その意味を読みつくして
そうしていつか君にとって
最善の人生となるように
‹夢を描け›
5/11/2025, 8:57:25 AM