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Special day





風呂に入って、熱くなりすぎた体を冷やそうと冷凍庫を開けると、そこには俺の好きなアイスが並んでいた。少し吟味して、スイカに似たアイスを手に取ると頬張りながらリビングへと向かう。
体の中から冷えていくような心地よさに、風呂上がりのアイスを堪能していると、「あー!」と叫び声がひとつ。びっくりしてそちらを向くと、「それ俺が食べようと思ってたのに!」と頬を膨らませた同居人がいたのだった。

「え?俺のじゃなかったの?」
「俺のだよ!勝手に食べんなよ!」

楽しみにしてたのに、としおしおと萎れていく彼をみるとなんとも罪悪感しか浮かばない。

スマホと鍵をポケットに、夜とはいえまだ暑さの残る外へ買い物にと玄関へ向かおうかと一歩足を踏み出すも、後ろから裾を引っ張られ、そちらを見ると萎れていたのが嘘のようにキラキラとした瞳とかち合った。

「俺食べたい新作あるんだけど!」
「…買ってこいって…?」
「いや!説明しても分かんなそうだから俺も行く!」
「あー、はいはい。そっちの方が助かるわ」

手早く準備した彼と共に暑い外へと一歩踏み出した。

7/18/2025, 3:26:58 PM