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これでもう最後にしよう

そう何度も呟いた。分かりきっていた事だったのに、勘違いした自分が悪いだけなのに…
最初は、よく目が合うなと思ったところからだった。廊下ですれ違う時とか、そんな何気ないところから私は意識しはじめた。彼は、とても目立つ人で人気者だった。そうして彼を視線で追うようになったある時、告白された。
驚いたけど、とても嬉しかった。2人での帰り道、休みの日に出かけた事、全部かけがえのない思い出になった。
でも、気づいたんだ。最初は出かける事多かったのに、次第に私の家に来るようになった。気恥ずかしかったけど、親とかにも顔合わせしたから、真剣に想ってくれているんだと、嬉しかった。私が部屋から離れている時とか、視線とかで。

彼が最初から欲しかったのは、私の弟だった…

もう知っているから、先に進むのは卒業してからって言ってたけど、弟としたこと。

ねえ、私は最初から彼と弟を繋げるための道化だったんだよね。2人の関係は外聞が良くないから、私を変わり身にしてさ。馬鹿にしてたんだね。

だから、最後は私の事を忘れないでね。いや、忘れる事出来ないよ

「送信しました」




「ねえ、聞いた?この前の飛び降りの話」
「聞いた、聞いた!あの子利用されてたんだね。」
「でも、この動画とかさ用意して書き込んでから、あの2人の目の前で落ちたんでしょ…中々怖いよね」


お題「終わりにしよう」



7/15/2023, 10:19:59 AM