名無していう名前の名無し🍐

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紅茶の香り。


⚠︎︎不愉快な気持ちにさせてしまったらすみません⚠︎︎


紅茶の香りが一瞬で鼻を通り抜ける。

瞬きさえ許されない一瞬。

すぐに消えてしまった。

一度入れたらもう二度と消えないと勝手に決めていた。

本当はそうではなく、気が付いたら紅茶ではなくなってしまっていた。

いつまでも暖かい紅茶ではなく、触れるともう役目を

終えたかのようにひんやりと冷たい。

その紅茶に向かって歯車がギシギシと悲しげなメロディーを奏でながら居座ると、

また、どこからか嗅いだことのない美しい香りがした。

歯車は悲しげなメロディーを停止させると、その美しい香りに向かって回ってゆく、

歯車はひとつじゃない。様々な歯車が回る。

何百万とも歯車がその美しい香りを求めて回るのだ。

形は歪でも何故か揃う歯車。

そしてテンポの早いリズムを奏でながら。

一度潰れてもまた復帰し、赤旗を掲げ、黒いピアノを

演奏するようにも聴こえ、

今にでも観客に囲まれながらサッカーができるようにも聴こえる。

やっとの思いでその美しい香りにたどり着くと

その歯車たちは拍子抜けしてしまうものがあった。

ひとつは猫とひよこのキメラのようなもので、

ふたつは野球ボールが生きているようで、

みっつは緑色のボーリングの玉が動いているようで、

よっつは鳩がタバコをくわえているようで、

いつつは中毒性のありそうな赤いキノコが動いている。

少し離れているが、

目を細めなければ見えないが何故か見えるコーラに似た

ハムスターが健気に叫んでいたり

絵を描きまくる、水色と白色がテーマのような鳥もいて、

穏やかそうに微笑んでいるしましまのとらのしまじ......

に似ていて緑色のヘッドフォンを着けた虎もいるが

どれも美しい香りだが歯車達が嗅いだ美しい香りではないようで、また、回ろうとしたその時。

奥から様々な物を持ってきたおじさんが来た。

そして、歯車たちは確信した。

「「彼こそがあの美しい香りのもとだ。」」と。

彼はクスッと笑えるような品物を見せだした。

まるで、最後の思い出を紹介するかのように。



本当に意味の分からないものを持っきたようだ。

ひとつは体格に合わない熊だったり、カツラだったり、

バナナだったり、ビスケットだったり、パンと書かれた米の入った茶碗があったり、

本当に、意味がわからない、だけど

何故だか......この品物の思い出を目の前でみたかのように

脳内に美しい香りが行き渡る。

歯車たちは目は無いが、涙を流しているように感じる。

彼らの周りを蝶や、書物が飛び回る。

まるで......まるで最後のヴァイオリンの発表会を楽しんでいるように。



もしかすると、やはりひとつ物が落ちても微笑みながら赤旗を掲げ、

国よりも遥かに強い存在に向かって愉快な笑顔で

対抗して"いそう"だと思った。


どんなに形が変わろうと、途中で抜けてしまう歯車も

いると思うし、色が変わって抜けてしまう歯車もいると思う。

だが、彼らは決して諦めない"と思う"。





とある......歯車の話なんだが、


国が滅びそうなんだけどまだ、三人強い人達が残ってる

んだけどね?引っ越そうと思うの。

どこかおかしいけど、まじめそうな街なの。

そこの市長も面白いったらありゃしない!

......でも、国にもいたいし、街にも行きたいの。

だから......私は別の所に引っ越して国と街が一体化するのを待ってから

また、彼らの元に行こうと思うの。

一体化がいつになるかはわかんないけど、絶対に彼らの

味方をすると決めているし、待ち続けるの。

くだらない話を聞いてくれてありがとうね。
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10/27/2024, 5:19:11 PM