SHAKE

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簡易コンロのフライパンの上で、
1つの卵から2つの黄身が現れて。

「わ、双子だった!みて、しょーゆちゃ…」

と呼びかけて、彼女が此処にいないことを思い出す。

生家の地下シェルターで過ごし始めてもう何月も経ったけれど、遠くの州から一向に帰ってこない双子の妹を1人で待ち続けて、寂しさで感覚がおかしくなっているのだ。


たとえどんなにつまらないことだとしても、
隣に彼女がいればすぐにシェアしていた時の癖は全然抜けない。
それどころか、隣にいないことを実感させられて
余計に寂しさが増すばかり。


「はやく、帰ってきてよ…」


───どこかで必ず、生きていることを信じて。

8/4/2024, 11:03:47 AM