優しい陽の明かりと頬杖

Open App

過ぎた日を思う

あの人や なをつげし
ききては陰に すぎさりし
涼風や 夏過ぎて けうをふりかえざりし
さんざめて なお 忘れいく
このかおり どこのものぞと
訪ねても かぐわしき ねむりとなりむ
この胸に なごりとなりし
あの香や どこのものとぞ もとめしは
どこの角から 薫りなぞ 吹きさびし
過ぎた日をおもう
かの陰や 思い出になむ 残りし色香
すぎさりし 面影や 水面に写る
うつろいなりて 祇園の山に 煙立ち込め
我ここで 年の長きを 思いしときは
すでに消え去る 薫りなど
ここにいて 会えぬ月日を 振り返り
あの涼しげな 君香や 我をわすらむ
畷となりて そこにのこらむ 年月に
去りがたし 敦盛の なを恥じて
なごりを捨てし けうもすぎにし

10/6/2023, 10:18:13 AM