詩『ノストラダムス』
(裏テーマ・明日世界が終わるなら)
ノストラダムスの大予言。
僕らがどんなに勉強しても1999年の7月にはみんな死んでしまうなら無駄じゃないか、それまで遊んで楽しんだ方がいいんじゃないかって思いが常に頭のどこかにあって、空しくなることが多かった青春時代。
もしも死ななかったらヤバいという思いだけはあって理性を保っていた。
明日世界が終わるなら。
物心ついた時からいつも考えながら生活してた。
そんな哲学とともに生きていた。
ノストラダムスに狂わされた若者は多かったはずだが、ホラ吹きのおっさんに騙されたなんて恥ずかしくて言えないからみんな無口になった。その名前さえわざと言わなくなった。
星にも寿命があり終わりがあるように、人類にも終わりは来るだろう。そして、誰もが今この瞬間に死んでも不思議じゃない。一人ひとりの世界は必ず終わる。
明日世界が終わるなら…と、私は今も常に考えている。
だから、やれることは今日中にしたい。
未来のためにあきらめたり、我慢したくないのです。
「はい、はい、はい、だらっだらっとなが~い能書きをたれまくって、このオジサンはしつこいんだよね〜」
普段は可愛いいとしの奥様がかなり切れておられるようだ。
「だから、高血圧と糖尿病でカップラーメンは食べちゃ駄目って言ってるのにどうしても食べたいって言ってるんでしょ?」
眉間にシワを寄せて足を組んで呆れた表情だ。
「このカップラーメンは人気の限定品でコンビニで1個だけ残ってるところに偶然行って買えたんだよ、食べろって言う運命なんだよ」
「で、ノストラダムスのおっさんの話をまた聞かされたのね」
「明日世界が終わったら、悔いが残るでしょ?」
「もう、好きにして、でもスープは飲み干さないこと」
そう言って我が家の権力者は缶ビールを開けた。
「カップラーメン、少し味見する?」
「……うん」
本当に明日が、世界の終わりだとしても二人でカップラーメンを食べているだけで俺は幸せだろうなぁ。(笑)
5/6/2024, 12:33:25 PM