アガサクリスティファンの僕は学生割引を利用して、アガサの執筆ゆかりの地イスタンブールをこの10月に訪れた。
その地で「ナザルボンジュ」と呼ばれる、美しい青いガラスのお守りを手に入れた。
これは、今まさに駆け出しのミステリー作家として名前を知られるようになった憧れの先輩である波瑠さんへのお土産だ。
彼女は、今年ぺラパレス新人文学賞を受賞したばかり。
持つべきものを持たぬ者の嫉妬は、どうしても静かな激しさで胸を襲うものだ。
このナザルボンジュは、その嫉妬の視線から彼女を守ってくれるという。
かくいう僕の心にも彼女へのモヤモヤした思いが、青い焔のように光っているのだ。
「消えない焔」
☆創作
10/27/2025, 11:52:05 PM