とりま座ろ

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夜の海

夜の海に憧れていた。
ささやかなさざなみを聞きながら眠ろうと思ってたのに。

真夜中。眠れない。今からいけないことをするんだと思うと、ワクワクが止まらない笑
ショルダーバッグに手帳、ペン、お金、そしてお気に入りの服を着て、できる限りひっそりと、家を出た。
今日の相棒はビンテージの実用車。こういう日には電動ママチャリよりもベターでしょう?

とりあえず海に行こうと思いますよ。
聞こえてくるのは偶にタイヤとアスファルトの摩擦音、あと酔っぱらいの声くらい。意外と静かなんですよこの子。
てか大丈夫か酔っ払い。帰れる?

目的地なんて特に無いけど、近づいてくるにつれて大型車が増えてくる。ぼくのことなんて多分見えてないよね。今日はなんだかそれが嬉しい。

着いた。砂浜に体育座りする。波の音を子守唄に、心地良く眠れると思ってた。飲まれたって良いとも。

恐怖。波はまるで大地を引き裂くような音を立て、こちらに猛スピードで迫る。これ、嘘じゃない。
ぎゅっと自分を抱き締めたまま動けない。
目なんて瞑ってられない。
その瞬間に飲まれてしまいそうで。

結局一睡もしないで迎えた朝は、綺麗。
お腹空いた。カフェ行こう。
そして、褒めて?

がちゃ。おう。寝とうかと思った〜どこ行っとったん〜?

8/15/2024, 11:37:49 AM