仮色

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【手ぶくろ】

深い深い森の中に、青い屋根に白い壁のお家がぽつんと立っていました。
周りにはお花が沢山の植えてあって、蜂が花粉を集めています。
その蜂達がどこに帰るのかというと、お家の隣りにある養蜂箱です。
お家に住んでいるくまさんは、お家にあるお花の花粉を蜂達に分ける代わりに、蜂達が作った蜂蜜を少し貰っています。

「んー、今日もいい天気だなぁ」

くまさんのお家の窓付きのドアがカチャ、と開きました。
中からは朝食を食べ終えたくまさんが出てきます。
朝食を食べた後に散歩をするのがくまさんのルーティーンです。
今日のくまさんはどこにお散歩をするのでしょうか。

「うーん…、今日は籠を持って行って木苺を採りに行こうかな」

どうやら、お散歩ついでに木苺を取りに行くみたいです。
木苺のぷちぷちと口の中で皮が弾ける感覚と、甘酸っぱい癖になる味を思い出して、くまさんは口の中がよだれでいっぱいになりました。
沢山成っているといいな、とくまさんは笑顔になりながら思います。
くまさんはお家から籠を持ってきて、早速散歩に出掛けました。

森の中は木漏れ日で溢れていて、暖かい空気でいっぱいです。
ふんふふーん、というくまさんの鼻歌と一緒に小鳥たちの囀りが聞こえてきて、まるで合唱をしているようでした。
合唱を楽しみながら暫く歩くと、くまさんはポツポツと赤色や朱色の果実が成っている低木の群れに辿り着きました。
これが木苺です。
昨日の夜に少しだけ雨が降ったからなのか、木苺にはぷよっとした雫が付いていて、いつもにもまして美味しそうに見えました。
思わず沢山採りたくなってしまいますが、森に住んでいる住人のために全部は採ってはいけません。
くまさんも勿論それは心得ているので、必要な分だけ木苺を籠に入れました。


(すみません、まだ書く予定でしたが間違えて出してしまいました)

12/27/2023, 11:41:20 AM