ゆかぽんたす

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これ以上希望を持つのは苦しいことだと知った。

いつから好きになったのか、分からないけど気づいたらもう戻れないところまで私の恋の炎は燃え上がっていた。少し優しくされただけなのに、こんなにも舞い上がってしまう自分に驚いた。時には、喋れない日があっただけで凹む自分も発見した。とにかくあの人に会ってから様々な自分が生まれた。自分が自分じゃないような、そんなおかしな感覚。
ずっと頭の中を“あの人が好き”の気持ちで埋め尽くしていたかったけど、それは無理だった。彼にはもう特定の相手がいたから。最初から私の恋は実らないと分かっていたくせにどうしてこんなにも盲目的になれるんだろう。いっそ今の環境から抜け出して、どこかあの人の見えない遠い場所で生活しようかとも考えた。けれど、どこに居ても、もう私の頭の中にはあの人が棲み着いてしまっている。忘れたくてもそんな簡単には忘れられないほどに。

どうしたら、楽になれるだろうか。忘れるという解決法が無理ならば、もうこのままずっと心のままにあの人のことを思い続けていればいいのだろうか。いつかは泣く日が来ると分かっているのに?馬鹿を見るのは分かっているのに。今以上に傷つくに決まってるというのに。

誰か私に目を覚ませ、と言ってくれたところでどうせ無理なんだろうな。私は覚めない夢を見ている。それはいずれ悪夢に変わる。分かっているのに、できない。抜け出せない。そんな私の思いに気づくことなく、今日も貴方は残酷なくらいに優しい微笑みを私にくれるのだ。

10/17/2023, 1:18:32 PM