部屋の片隅で
今日も今日とて、お題はやって来る。
さて、どうする?
お題を矯めつ眇めつ眺めて
思考を巡らせる。
真面目にお題を考える自分もあれば
お題の背景を考えたがる自分もいる。
体は一つなのに、心はいくつにでも増える。
心が無数に増えるのは、別に構わないとして、
落ち着かないというのはいただけない。
こうなってしまったのは、
近頃のお題に感じるものがあるからだ。
逆さま
眠れないほど
夢と現実
さよならは言わないで
光と闇の狭間で
距離
泣かないで
そして今日の
部屋の片隅で
ここ最近ずっと
夢破れた
または、
失恋や別れなど
何か悲しい事があり嘆いている人物が
お題から見えるのだ。
その影を無視して話を作ってきたが
どうにも悲しんでいる人物がいるぞと、
それは気の所為ではないのでは?と、
頭の中の誰かが言うのだ。
無視することが難しくなってきた。
その架空の人物──仮名として
「君」の文字を与えようか。
君は、
大切な人と距離が離れてしまったのだろう。
それが死別か、別れなのかは私にはわからないが。
さよならは言わないで欲しかったのに。
現実とは実に皮肉かな
望んでいないことばかりを叶えて
叶えて欲しい夢は夢のままに終わる。
君にとってそれは
まさに青天の霹靂、
天と地が逆さまになるような出来事だった。
自分の何が悪かったのか、
何をすれば望む未来に進めたのか。
尽きることのない後悔は
あり得たはずの明るい未来と
訪れてしまった現実を突きつけ
身をよじるほどの苦悩となる。
光と闇の狭間を行き来する思考は
何時しか
眠れないほどの苦しみへと変わっていった。
今日も君は部屋の片隅で泣いている。
お題に隠れていた君よ。
君は、どこにいるのだろう。
泣かないでと、
今すぐハンカチを差し出せればいいのに。
12/7/2023, 11:04:47 AM