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「プレゼント」
私の父親は去年卒寿を迎えた。
せっかくだからきちんとした贈り物をしたいと思い、父に「何か欲しいのある?」と聞くと「ショルダーバッグかなぁ。そんなに重い素材じゃあないやつ」
「そんなので良いの?」「ええよ。ちゃんとしたのだと逆に使いづらいねん」
やっぱりずっと使って欲しいと思うと、必死になって探してしまう。
我が家の経済事情を気にしてくれての事に申し訳なく思いながら探したバッグを素敵な包装紙に包んでもらい実家に宅急便で送った。
後日父からお礼の電話があり「有り難う」の言葉を貰った時、思わず嬉しくて目頭が熱くなった。
今まで親に迷惑かけたり心配かけたりしてきた過去があってそれを乗り越えての今がある。
この先何年いてくれるか分からないから出来るだけ顔を見に実家に帰ろうと思った。


12/23/2022, 10:26:49 AM