六月の帰路

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君にコバルトブルーの絵の具を塗った。
君はどうしようもなく、そんな表情で言っていた
「また日の向こう側まで来てしまったみたい
まだやることも、やらなきゃいけないことが沢山残ってるけど、
夜中に一日がすぎて、おわって、はじまるか
私はその時を何度も過ごすことが億劫になった。」

必死になって言っていた
君が選んだ言葉はどこか他人行儀で
地球を外側から見ているみたいな感じがした。
私たちは水族館の外側にいる人間だ。

それと同じように明け方まで時間が経っている
君はいつまでたっても僕の手を
抱きしめてはくれないの?

月光だって 闇に包まれてひとり光っていた
闇に包まれるから
彼らはあんなに光っているのって
君は光らなくても見えなくても
僕は君くらいが暗くてちょうどいいかなって
二人で笑えていたはず。

君といる時は夜なんて怖くなかったはずなのに
夜が怖くて
朝も怖くて 段々とバラバラになってく星空を見ると
恐怖でたまらなくなった
夜の波が 僕の涙を擦った いつになったら
いつになったら この世界に月明かりが無くなるか
街灯も、街明かりも、信号も、
全部消えてしまえばよかったのに
その時にやっと 君だけに「生きたい」って言えるのかな
それとも、ぺトリコールに挨拶するのかな
まだ君を描いていた
いつか月明かり消えた時にさ
それをいっしょ 力を込めて
夜の花弁にして その色無くせたらいいね

10/7/2022, 2:38:24 PM