まりあんぬ

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「同僚に片思いして3年になります。
彼には2年前から彼女がいます。

彼のしあわせを願いたいのに
「私じゃだめなんだ」と落ちこんでばかり。

たくさん忘れようとして、いろんな手を尽くして。

仕事に打ち込んで、やっと大きな成果を出せたのに「なんのために頑張ってるんだろう」と虚しくなってしまう始末。

自分のことしか考えられない自分が嫌になります。
こんなとき、どうしたら良いですか」

名無しの相談箱に宛てた手紙に自問自答する。



「あんた、覚えてる?」

「小さい頃、ゆりちゃんがうちに遊びに来てた日に、急な雨が降ってきてね。

誕生日に買ってあげて、まだ一度も使ってないレインコートを『貸してあげなさい』って言ったのよ。

あんたは『嫌だ』って言ってさ。

ゆりちゃんが帰った後

『あー、雨強くなってきたね。ゆりちゃん、大丈夫かな』って言ったら『貸してあげればよかった』って大泣きして。

あんたはそういうやさしいところがある子だったよ。

まー、こっそり貸してあげてたんだけどね」



ものすごく苦しい。

だけど、ひとりぼっちで雨に打たれて欲しくはないから。

「よかったね。いつまでもしあわせでいてね」

まだこんな風にしか考えられないけど、
せめて君にとって良い同僚であれるよう頑張らせて。



『0から』

2/21/2023, 7:13:43 PM