【永遠なんて、ないけれど】
『チィース!チィース!!』
「金はねぇ、晩飯もねぇぞ」
『俺ってそんなに
強欲だと思ってる...?』
「俺は高校からそんな
お前の子守りしてたんだけど...?」
『そんなこと...覚えてましぇーんww』
俺は玄関の扉を
思いっきり開け、こう言った
「帰れよ」
『ごめんって!謝るから!!』
「チッ...!」
俺は鍵を閉めチェーンもかけた。
リビングに突っ立ってる友人に
座れとジェスチャーし、俺も
目の前へと座り込む。
「金だろ...?どうせ」
『俺っちバイト
クビになっちゃっててさぁ!!
焦る!焦る!!』
「はぁぁ...」
『どうしたん?』
「また母親だろ?」
『っつ...!』
「バイト先がクビになったのは
母親が乗り込んで~とかだろ?」
『流石...友人!
お見通しってわけか!!』
「それでバイト先もなくなり
ちまたでそのことが有名になり
働けずSOSを出しにきたってわけ?」
『んー!少し正解!!』
「少し...?」
『治療費が必要でさぁー!』
「お前...どっか悪いのか?」
『違うよ...母さんだよ』
「は?お前また地獄みるぞ」
『この治療費を出したら母さんと
縁を切る...約束するよ』
「ふーん。」
下を向く友人に
否定の言葉が喉まで出かけたが
俺はあえて飲み込んだ。
「何万?」
『へ...?』
「いくらかって聞いてんだよ」
『3桁...なんだけどさ...』
「ゴホゴホッ!!!!」
俺は飲み込もうとした
ジュースをその言葉により
吐き戻し 苦しながらも
友人に伝えた。
『おいおいっ!大丈...っ!』
「お前!!正気かよ!!」
『え...なに...?』
「お前の人生をめちゃくちゃにする
母親に3桁の医療費だぁ!?
ふざけんじゃねーよ!!」
初めて
友人を目の前に激怒した。
『で...!でも!
これで縁を切れるなら!!』
「おままごとの延長戦かよ」
焦ってる友人とは裏腹に
俺は呆れている。
「人生...ってお前
楽しいで生きてんのかよ」
『もちろんっ!!』
「俺はそう思わないのは
なんでだと思う?」
『それは友人~!
第三者目線ってあるやん!
それじゃねーの!?』
「そんな!!お前が!!
歯を食いしばって涙こらえてる
姿を見てるのが...俺は...俺は!!
耐えられないんだよ...ッ!!!」
『なんで、お前が泣いてんだよ...!』
「うっせぇー!!」
盛大に泣いた。嗚咽もありながら。
「お前は!!幸せになれ!!
俺より!!絶対に!!」
『ふははっ!
あんがとーなぁ!!友人!!』
少し沈黙が続いたあと
口を開いたのはアイツだった。
『俺、やっぱり縁切る。』
「え?いいのか...よ」
『こんな大事な友人の言うこと
聞かない俺じゃねーし!』
「お前...本当に最高ッ!!」
『当たり前だろ!!友人!!』
俺たちは肩を組みながら酒の
ロング缶を開けて飲みくれてしまった。
こんな大口開けて
立派な発言する大人って
カッケェーなぁって思ってるんすよ!!
いつか俺にもなれる...かな?🤭
9/28/2025, 10:42:15 AM