きづめ

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「上手くいかなくたっていいから、副部長やってみろよ。」
僕は怒りを覚えた。親友がそんなにも嫌な奴だとは思わなかった。お前はなんでもできるから、上手くいかない苦しみを知らないんだ。つい口から漏れ、親友が口をつぐむ。僕はいつもそうだ。つい自分を貶す。でもそれは輝きの塊のような親友の存在があるからだ。ああ、自分がより嫌いになると予測できただろうにこいつと友達になった僕のせいだ、僕は、、。
こうやってうじゃうじゃ悩んでいるから、副部長はおろか僕自身を認めることさえ上手くいかない。
「上手くいかなくたっていい。」
親友の言葉が、自分と向き合う努力をこの僕から引き出した。全く、彼はすごい奴だ。

8/9/2024, 10:38:35 AM