『君からのLINE』
君は地元、僕は県外の大学に進学した。
仲は良かったが、親友と呼べるほどではなかったし、長い付き合いがあるわけでもなかった。
そんな関係の人とは、直接的な関わりがなくなった瞬間に、ぱったりと連絡が途絶えてしまう。
他の人はどうなのかわからないが、コミュニケーションに積極的ではない僕はどうしてもそうなってしまうのだ。
時が経つほど、メッセージを送る青い紙飛行機のマークが遠くなる。そういう意味では、「ぱったりと」ではなく「徐々に」と言うべきなのかもしれない。
関わりがなくなっても、LINEの「友だち」には名前が残っているわけで。
それを見るたびに、時間がない中図書館で見つけた本が持ち出し禁止だったときのような、財布を持ち合わせていないときにショーウィンドウで良いバッグを見つけたような、なんとももどかしい気持ちになる。
関わらなくなっても、特に問題はないはず。
現に今だって、LINEの「友だち」を見る以外では思い出すこともない。
それなのに僕は。
LINEの「友だち」を見るそのときだけ、君からのLINEを求めてしまう。
9/15/2024, 10:33:28 AM